キリル文字はロシア語・ウクライナ語・モンゴル語・カザフ語などで使われる文字です。ちょっと変わった形ですが英語のアルファベットと同様にアルファベットの体をとっています。一文字一文字に音素があるんです。
この記事ではロシア語に絞ってその中でも母音字たちを紹介します。
ざっくり言うと、(小文字と大文字並べて表記します。)
Аа(アー)、Ыы(ゥイ)、Уу(ウー)、Ээ(エー)、Оо(オー)
Яя(ヤー)、Ии(イー)、Йй(短いイー)、Юю(ユー)、Ее(イェー)、Ёё(ヨー)
の10種類があってそれぞれАとЯ、УとЮ、ЕとЭ、ОとЁはア行とヤ行の対応にそっくりになってます。ЫとИはちょっと例外だけども。
前提の知識として「アクセント」がロシア語においてはとても重要です。アクセントによって発音が全く違うものになり、文法上の意味も変わることがあるからです。文字の上に右斜め上に短い棒を書くことで表します。なお子供や初心者向けの教科書にしか基本アクセント記号はないです。アクセントがある場合少し伸ばし棒「ー」をつけるイメージで。
それでは一つづつの文字の発音を見てみよう。
キリル文字大文字と小文字(読み、ローマ字表記)の順です。
(ローマ字は英語みたいなイメージです。)
Аа(アー、A):アクセントがつく場合は日本語と同じように口を大きめに開けて「アー」でいい。つかない場合はちょっと口ごもった感じ抑え目で「ア」。
Ыы(ゥイ、y):口を「イ」の形にして「ウ」と「イ」の間の音を出す。日本語にも英語にもない音。一番難しい。
Уу(ウー、U):口を突き出しすぼめて「ウ」。どちらかというと日本語では「オ」の音に近い。
Ээ(エー、E):日本語と同じ「エ」の音。
Оо(オー、O):アクセントがつく場合はちょっと強調して「オー」。アクセントがない場合は口をあまり開けずに「ア」の音に代わるので注意。
Яя(ヤー、YA):アクセントがある場合は「ヤー」。「ィアー」がイメージ的に近い。アクセントがない場合は「ィ」になることがある。
Ии(イー、I):日本語と同じ「イ」。
Йй(短いイー、I)Иを短めに発音するだけ。
Юю(ユー、YU):日本語とほぼ同じ「ユ」の音。
Ее(イェー、YE):アクセントがある場合はイェーイの「イェ」。ない場合は「ィ」。
Ёё(ヨー、YO):原則どんな場合でもこの文字のところにアクセントがつく。「ヨー」の音。
実践編:
аиуэо→aiueo→あいうえお
яиюеё→yaiyuyeyo→やいゆいぇよ
ы→y→ぅい
一度慣れ親しんだローマ字に変換することがポイントです。
これでロシア語の母音をすべて扱えるようになりました。
part2(続き)↓母音の次は子音です。
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